世界の言語を8言語ほど学び、ベナン共和国に「たけし日本語学校」をはじめとする多くの学校を設立するなど、教育・環境・福祉・国際親善に尽くしていらっしゃるゾマホンさん。音声配信サービス「Radiotalk」にて、文筆家のまきむぅこと牧村朝子がお話を伺いました。
ラジオトーク公式番組「あなたのお耳の秘密基地」
お相手は まきむぅです。
今回からは「あなたのお耳に旅の風」ということで、地球上のいろんな土地にゆかりのある方をゲストにお招きして、お耳に旅の風を吹かせる新企画をやっていきたいと思います。
記念すべき第1回のゲストは、前駐日ベナン共和国大使、そして 国際財団IFEの理事、コメンテーターとしても活躍していらっしゃいます、ゾマホン D. C. ルフィンさんです。
はーい! もう、明けましておめでとうございます!!
(笑)
※収録は2月中旬
今年も ぜひ、よろしくお願いいたします!
めちゃくちゃ可愛い朝子さん……まきむぅさんに会えて本当に嬉しいです。
朝子さんの SP である井戸さんにも会えて本当に嬉しくて……
プロデューサーの井戸さんのことです。
プロデューサーは朝子さんを守ってると思ってますんで。とにかく、皆さんに……こんなにとっても面白いチームに会えて、本当に心から嬉しくて。
今年は本当に良い年になるように、後は、世界的に有名になるように頑張りたいですね。ぜひ よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今、(ラジオなので)見えてないですけど、 (ゾマホンさんは)リスナーさんに手を振っています。
嬉しいです
■ゾマホンさんはマルチリンガル(多言語話者)
一回目がですね、 言葉の話をメインに聞いて行きたいんですよ。
はい。
ゾマホンさんは本当にいろんな言葉をお話しになりますけれども、一番「自分らしいな」って思う言語は何ですか? つまり、母語は。
私は自分らしい言葉はね、悩むな、ベナン語……最低、フォン語とイダチャ語とかね。あとは、ミナン語とかね。その三つはベナンの言葉ですね。
(注……ベナン共和国には、「ベナン語」という言語があるわけではありません。公用語とされているフランス語に加え、フォン語、イダチャ語、ミナン語、ヨルバ語、アジャ語、バリバ語など、各民族の言語が話されています。
こうした、現在ベナン共和国と呼ばれている土地に昔から生きてきた人々の土着の言葉を総称して「ベナン語」と言っています)
その後は、学校に通って……。
ベナンは昔、フランスの植民地でした。公用語はフランス語ですよ。だから学校ではフランス語を学んだし、あとは、英語。
ベナンでは日本人と同じで、義務教育で英語の勉強するんですよ。
ああ、義務教育で英語。
今は中学からじゃなくて、学校によって違って、小学校からも英語勉強できるようになりました。
日本と本当に同じですよね。日本も(義務教育で英語を学べる学齢が、2018年度より小学3年生からに)早まりました。
そうですね。だから、(話せるのは)ベナンの言葉である、イダチャ語・フォン語・ミナン語。それと、学校通った人々が、フランス語と、英語と。
私は、高校の時はスペイン語。そのあとは、高校卒業したあと、大学入って、1年間で卒業したあとに、中華人民共和国で……
中国。
そう、中国でね。……中国というよりも、 中華人民共和国だよ!
中華・人民・共和国!
そう。 中国と言ったら、みんな多くの人が間違って、台湾とか……。
(注……中華人民共和国政府は、台湾を自国の領土であるとしています。それに対し、台湾、こと、中華民国台湾は、自らを中華人民共和国とは別の独立した国家であるとしています。
関連記事:”「中華民国台湾は主権独立国家」外交部、中国に反論」”、フォーカス台湾、2021年2月23日)
はっきり言うと中華人民共和国ですね。 そこで中国語を学んで。中国で知り合った多くの日本人の中で、高橋さんという日本人のおかげで、私は日本に留学して、今から28年前に、日本の東京に、やってまいりました〜。
めっちゃ旅の風吹いてる。
それではっきり言うとね、私は、 一番心がともにある言葉を聞かれるとね、 悩むんだよ、私。
例えばスペイン語で、英語で、中国語で、言いたいことがあれば必ず自分の気持ちを伝えるように頑張っています。だから「どっちが一番」と聞かれると困ります。
簡単に言うと、私がしゃべっている中で一番複雑だと思うのは、喋ったらすぐ頭痛くなる言葉は、間違いなく……
日本語でございます。
すいません、合わせていただいて。
■ゾマホンさんにとって、日本語は……
日本語をしゃべれる人間は、本当に頭がいい人間です。なぜかと言うと、日本語はね、他の人間の言葉と違って……女性の言葉、男性の言葉、丁寧語、普通の言葉、その四つ?
天皇にしか使わない言葉とかね。
そうでございます。本当にもう、大変です。
それとね、もっと大変なことはどんなことであるかというと、日本の、漢字だよ〜。
漢字。
今の日本の漢字はね、昔の中国、中華人民共和国の漢字(繁体字)と同じく……
(繁体字は)まだ台湾でも使われているけれども、とにかく、日本語の漢字はね、中華人民共和国の漢字(簡体字)よりも、もっともっと複雑ですよ。
明治に、日本独自の漢字を作っちゃったんですよね。
今まで使ってた漢字をやめて。
1949年に毛沢東のおかげで中国の漢字は簡単になった。
みんなが言葉(の読み書き)を出来るように、毛沢東が簡単な漢字を作って。
そうでございます。それに比べると、日本の漢字はまだまだまだ、古いクラシカルな字だから。頭痛いです。読むとか書くとかしたらね。だって中国人もね、1949年以降生まれた中国人はね、その日本の古い漢字読むことも難しいですよ。
(注……1949年10月1日、中華人民共和国が建国されました。その直後、10月10日には、「中国文字改革協会」が設立されています。“毛沢東が簡単な漢字を作って”という発言がありましたが、正確には“作るよう指示して”です。
関連論文:大原信一「新段階に立つ中國の言語文字問題 1949年から1952年まで」中国語学研究会会報、1953 年 1953 巻 10 号 p. 1-4)
うん、うん。
だから本当に、日本語はね、世界で一番難しい。
一番複雑な言葉でございます。
本当に思っていらっしゃいますか?
それ日本人が聞きたがるやつじゃないですか。
それだけじゃないよ。
まだ日本語の話してくれるんですか。
まだひらがなとカタカナとかあるし。頼むよ〜。
それ日本人が聞きたいことだけどさ、サービスで言ってもらってる気がしてきちゃうんですよね。
はい。
(一同笑)
■「ゾマホン22年前から、日本のマスコミで……」
もっと、なんだろう、(この番組は)日本語しゃべる人が聞いてるので、知らないことを届けたいなと思って。
はい、はい!
お父様お母様と話していたのが、イダチャ語ですよね。
もちろん、家ではね。
ベナンという国はね、アフリカの西の方にあるんですよ。
アフリカの西にある海沿いの国。
で、アフリカというのは、人間の発祥の地である。あなた方日本人、アジアの方々とか、 ヨーロッパの白人の皆さんの先祖が、アフリカからやってきたですよ。
人間はアフリカから。
だから、
いくら肌色が違うとしても、
いくら言葉が違うとしても、
いくら文化が違うとしても、
皆さん人間だから兄弟です。
頭いい人はみんなわかってます。
そうよ。
頭 パーの人は分からない。
喧嘩売ってんのか平和にしたいのかどっちですか(笑)
平和平和平和平和!
平和になるためにはそこまでわからないといけない。
それにはいくら肌色が違うとしても、言葉違うとしても、いくら文化違うとしても、皆さん人間だから、皆さん兄弟です。そう思ってない人間が頭悪いです!
本当にそう。
それはゾマホンが22年前から、日本のマスコミで、かたく、ず——っと、言ってまいりました!
もうちょいわかりあいたいから、お互いの言葉を知りたいなっていうのが一本目の話なんですよ。
はい。
イダチャ語で、もし……
私はベナンで生まれて!!
……なに!?(笑)
べナンは世界の一つの国ですので、
はい。
私はベナンではね、生まれた家では、父と母とおっしゃっている(話している)言葉は民族の言葉。いわゆるヨルバ語。
ヨルバ語。
ヨルバ語というのは、ナイジェリアの南部の方に多いですよね。
アフリカというのは欧米諸国に植民地にされたので、同じ国、同じ文化なのに、分割されたですよ。
うん……!
だから、アフリカにおける様々な戦争の原因は、そこから考えないといけません。
言葉、文化、あり方を、押しつけられたことですよね。
分割されて。
だから民族の言葉、地域によっては(分割支配を受けたがために、人々の意思に反して)自動的に変わりますので。時代変わると。
(イダチャ語を話す)ナゴ民族と、ヨルバ民族は(もともと)同じ民族。
ヨルバ語の元はイダチャ語?
イダチャ語の元は、ヨルバ語。
オッケー分かりました。
そしたら、「イダチャ語の元はヨルバ語」ってとこまで分かったところで、ほとんど日本語の話をして、一本目が終わってしまうので……
じゃあ四本目、四本目しようよ!
四本とってくれるの!? やったあ!
この番組、大事な番組だからさ。
大事な番組だから、次の回で、ヨルバ語についてゾマホンさんに伺いたいと思います。
それでは……
「またね」って、イダチャ語でなんて言うの。
O da abọ
(オダボ)
O da abọ(オダボ〜〜)
いいねいいねいいね、朝子さん頭いいね。
頭いいです❤️
紅白ラジオトーク合戦で叶わなかったものが目の前にあって、アイコンや文字が声の躍動感を如実に伝えてくれる仕様にも感動しました!すごい!!!
これからの3本もそれ以降も楽しみにしています!
QnQ初体験!
写真やテキストのアニメーションとかタイミングとか、吹き出しの感じ、雰囲気が伝わってきますね!
対話がめっちゃ頭に入ってきやすいし、いいですね〜!
注釈もたくさんつけてくださってるし、写真のチョイスも細かく練られてる感じします。
丁寧な仕事だぁ〜(;o;)
スクロールしながら、じっくり楽しませていただきました。
ゾマホンさんのお話の続き、また楽しみにしてます⭐︎
こんばんは。ラジオトーク聴きましたしこっちも読みました!
スクロールすると吹き出しがぽんぽん出てくるのにわくわくしましたし、アイコン動くと思っていなくてびっくりして笑ってしまいましたw
ほんとはおなじ、それなのに。
ルーツを知る、歴史を知る、その人の背景を知ることで、どう関わっていくかを選んで決めることができるのかなって思いました。
それから途中の、「ほんとに思ってますか?」にどきっとしました。私も気持ちよくなってたことにあの言葉で気づきました。接待しないしさせない対談こわい…。でもとても面白いです。どきどきしながら第2回を待ちたいと思います!
ヨルバ語、イダチャ語のお話聴けるの楽しみです!